建設業許可専門わしお事務所

経営事項審査(経審)とは

国や地方公共団体、公共法人等から、公共工事を直接請負おうとする建設業者は、「経営事項審査」(以下「経審」と呼ぶ)を受けなければなりません。
この経審とは、建設業者の施工能力、財務の健全性、技術力等を評価する為の審査で、当該会社の完成工事高・財務状況・技術者数などの項目が点数で評価されます。
県や市町村などの公共工事の入札参加資格認定申請をする時には、経審の結果通知書の提出が求められます。

1.審査基準日

 基本的に審査の基準日は、申請する日の直前の事業年度終了日(決算日)です。
場合によっては、合併の日や法人成りの日が審査基準日になることもあります。

2.有効期間

 経営事項審査の結果を受けて、公共工事の請負契約を締結できるのは、当該経営事項審査の審査基準日(決算日)から1年7カ月の間に限られます。
従って、継続的に公共工事を請負おうとする建設業者は、毎年決算確定後速やかに経営事項審査を受ける必要があります。
申請が遅れれば、結果通知書の受け取りが遅くなり、空白期間(公共工事の受注ができない期間)が発生する恐れがあります。
つまり1年7ヶ月の内7ヶ月間が、経審の受審・結果通知書の発行の為の期間とお考え下さい。

審査項目

審査項目は5項目に分けられます。
まず経営規模の1点目(X1)として「工事種類別完成工事高」、直前の2年平均と3年平均を任意で選択することができます。
経営規模の2点目(X2)として、自己資本額や利益額の評価。
技術力(Z)として1級・2級資格者数や元請としての完成工事高。
その他項目(W)として、社会保険・雇用保険等の加入状況や、企業としての社会活動、コンプライアンス状況などが評価されます。
加えて、財務状態の健全性を評価するため、経営状況(Y)が指定評価機関によって分析されます。
総合評定値(P)=(X1)×0.25+(X2)×0.15+(Y)×0.2+(Z)×0.25+(W)×0.15
最高点:2082点 ・ 最低点:278点

項目区分審査項目ウエイト
経営規模 (X1)年間完成工事高0.25
経営規模 (X2)自己資本額0.15
平均利益額
技術力 (Z)技術職員数0.25
元請完成工事高
その他審査項目 (W)労働福祉状況0.15
建設業の営業年数
防災活動への貢献状況
法令遵守の状況
建設業の経理に関する状況
研究開発の状況
経営状況 (Y)純支払利息比率0.2
負債回転期間
売上高経常利益率
総資本売上総利益率
自己資本対固定資産比率
自己資本比率
営業キャッシュフロー
利益剰余金

審査の流れ

経営事項審査は、事業年度終了後下記流れに沿ってすみやかに手続きしていかなければなりません。
また経審を受ける事ができるのは、建設業許可業者に限られます。

1.申込

公共工事を請負おうとする建設業者は、所管行政庁宛に「経営規模等評価の申請等」を申し込んで、審査日の予約をします。
兵庫県の場合は、往復はがきで審査日の予約・決定通知がなされます。
この申し込みは、事業年度経過後2カ月以内を目安とします。

2.決算変更届提出

決算変更届は、毎年度決算終了後4ヶ月以内に建設業法様式の財務諸表や工事経歴などを許可行政庁に提出しますが、経審を受ける場合は、できるだけ3ヶ月以内に届出を行うようにしてください。
決算変更届は経審の審査資料としても使われます。

3.経営状況分析申請

指定経営状況分析機関に対して、決算変更届で提出したものと同じ建設業法様式の財務諸表を提出して分析評価を受けます。
申請後約1~2週間で結果通知が届きます。

4.経営規模等評価申請および総合評定値請求

1.で通知された審査指定日に建設業の許可行政庁に対して申請します。
経営規模等評価申請の際に、3.で取得した経営状況分析結果通知を添付して総合評定値請求を行います。

5.総合評定値通知書の取得

総合評定値は一般にP点と呼ばれます。
総合評定値通知書は、経審受審の後、約1ヶ月後に取得することができます。