建設業許可専門わしお事務所

工事内容による業種区分

建築一式である「建築工事業」があれば何でもできるとお考えの業者様が結構おられます。
500万以上の規模の専門工事(屋根工事や内装工事など)を受注しようとする場合は、該当する専門業種の許可を持っていなければなりません。
「建築工事業」はオールマイティの業種ではないので、受注する可能性のある専門業種のみならず、抵触する可能性のある業種は取っておくに越したことはありません。
しかし、経営管理責任者の実績や専任技術者の実績として認めてもらうためには、工事内容まで確認される業種が有ります。
特に「建築工事業」や「機械器具設置工事業」を申請する場合などは、窓口において内容を細かく確認されます。
以下に業種と工事内容の判断基準を列挙しますので、参考にしてください。
(都道府県により、多少判断が違う場合もございます。)

リフォーム工事

リフォーム業者さんで、「建築工事業」をご希望される業者様が多くおられます。
新築工事でなくても、増床を伴う増築工事は「建築工事業」に該当します。(元請けが望ましい)
スケルトン状態からの大規模改築工事も「建築工事業」として認められる場合があります。(大阪府など)
請負額も判断材料になります。100万や200万程度の請負額では「建築工事業」の実績と見てもらうのは厳しいでしょう。(建築一式工事の場合は、請負額1500万未満、又は延べ面積150㎡未満の木造の場合は許可が無くても請け負う事ができます。)
「建築工事業」の実績を許可行政庁に認めてもらう場合は、事前相談をすることをお勧めします。
床材や壁材の貼替えがメインであれば、「内装仕上げ工事業」に該当します。
多少の水回り工事や電気工事があっても、内装にかかる付帯工事と判断されます。

ソーラーパネル設置工事

温水器利用の場合は「管工事」、発電目的の場合は「電気工事」がメインになるかと思いますが、現在のソーラーパネルはほとんど発電用かと存じます。
また屋根一体型の場合は「屋根工事」と判断する自治体もあります。
メガソーラーの場合は「鋼構造物工事業」「機械器具設置工事業」「とび・土工工事業」などにも抵触する可能性があります。

サイディング工事

エコタイル、窯業系サイディングの場合は「タイル・れんが・ブロック工事業」。
金属系サイディングの場合は板金工事業に該当します。

スプリンクラー設置工事

スプリンクラー全体の設置を請け負った場合は「消防施設工事」、管路のみ請け負った場合は「管工事」に該当します。

電気使用量モニタリング機器取り付け

電気使用量を計測し、その情報を表示・記録する機器を配線に設置する場合は「電気工事」
計測した電気使用量の情報を送信し、遠隔地で表示記録する機器を設置する場合は「電気通信工事」に該当します。

墓石工事

小規模な墓の築造は「石工事」、造成を伴うような大規模なものは「とび土工工事」に該当します。

類似した業種の区分

建設業許可は「建築工事業」「土木工事業」「板金工事業」「内装仕上げ工事業」など、28の業種に区分されていますが、実際に現場でやっている工事がどの業種の許可を必要とするのか不明確な場合が多々あります。
国土交通省のガイドラインでは、各業種毎に工事の例示や区分の考え方が示されていますが、日々新商品や新しい工法が出ている現状では、すべてを網羅している訳ではありません。
また実際に許可を下す都道府県独自の考え方もあります。
関連しそうな業種全てを取得できれば良いのですが、保有している国家資格に対応していなかったり、10年の実務経験で取得する為に、1業種しか取得できなかったりという場合では、どうしても優先順位を付けざるを得ないケースも出てきます。
以下のガイドラインを参考にしてください。

類似した建設工事の区分の考え方

左官工事について

1.防水モルタルを用いた防水工事は左官工事業どちらの業種の許可でも施工可能である。
2.「ラス張り工事」及び「乾式壁工事」については、通常、左官工事を行う際の準備作業として当然に含まれているものである。

とび・土工・コンクリート工事について

1.「とび・土木・コンクリート工事」における「コンクリートブロック据付け工事」並びに「石工事」及び「タイル・れんが・ブロック工事」における「コンクリートブロック積み(張り)工事」間の区分の考え方は、根固めブロック、波消ブロックの据付け等土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付けを行う工事等が「とび・土木・コンクリート工事」における「コンクリートブロック据付け工事」であり、建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事や法面処理、又は雍壁としてコンクリートブロックを積み、又ははり付ける工事等が「石工事」における「コンクリートブロック積み(張り)工事」であり、コンクリートブロックにより建築物を建設する工事等が「タイル・れんが・ブロック工事」における「コンクリートブロック積み(張り)工事」である。
2.「プレストレストコンクリート工事」のうち橋梁等の土木工作物を総合的に建設する工事は「土木一式工事」に該当する。
3.「吹付け工事」とは、「モルタル吹付け工事」及び「種子吹付け工事」を総称したものであり、法面処理等のためにモルタル又は種子を吹付ける工事をいい、建築物に対するモルタル等の吹付けは「左官工事」における「吹付け工事」に該当する。
4.「地盤改良工事」とは、薬液注入工事、ウエルポイント工事等各種の地盤の改良を行う工事を総称したものである。

屋根工事について

1.「瓦」、「ストレート」及び「金属薄板」については、屋根をふく材料の別を示したものにすぎず、また、これら以外の材料による屋根ふ工事も多いことから、これらを包括して「屋根ふき工事」とする。したがって、「板金屋根工事」も「板金工事」でなく「屋根工事」に該当する。
2.「屋根遮断工事」は、遮断処理を施した材料により屋根をふく工事であり「屋根ふき工事」の一類型である。

管工事について

し尿処理に関する施設の建設工事における「管工事」、「水道施設工事」及び「清掃施設工事」間の区分の考え方は規模の大小を問わず浄化槽(合併処理層を含む)によりし尿を処理する施設の建設工事が「管工事」に該当し公共団体が設置するもので下水道により収集された汚水を処理する施設の建設工事が「水道施設工事」に該当し、公共団体が設置するもので汲取方式により収集されたし尿を処理する施設の建設工事が「清掃施設工事」に該当する。

タイル・れんが・ブロック工事について

1.「石綿スレート張り工事」とは、石綿スレートの外壁等にはる工事を内容としており、石綿スレートにより屋根をふく工事は「屋根ふき工事」として『屋根工事』に該当する。
2.「コンクリートブロック」には、プレキャストコンクリートパネル及びオートクレイブ養生をした軽量気ほうコンクリートパネルも含まれる。

鋼構造物工事について

「鋼構造物工事」における「鉄骨工事」と「とび・土工・コンクリート工事」における「鉄骨組立工事」との区分の考え方は、鉄骨の製作、加工から組立までを一貫して請け負うのが「鋼構造物工事」における「鉄骨工事」、すでに加工された鉄骨を現場で組み立てるだけの工事が「とび・土工・コンクリート工事」における「鉄骨組立工事」である。

ほ装工事について

1.ほ装工事と併せて施工されることが多いガードレール設置工事については、工事の種類としては「ほ装工事」ではなく「とび・土工・コンクリート工事」に該当する。
2.人口芝張付け工事については、地盤面をコンクリート等でほ装した上にはり付けるものは「ほ装工事」に該当する。

板金工事について

「建築板金工事」とは、建築物の内外装として板金をはり付ける工事をいい、具体的には建築物の外壁へのカラー鉄板張付け工事や厨房の天井へのステンレス板張付け工事等である。

塗装工事について

「下地調整工事」及び「ブラスト工事」については、通常、塗装工事を行う際の準備作業として当然に含まれているものである。

防水工事について

「防水工事」に含まれるものは、いわゆる建築系の防水工事のみであり、トンネル防水工事等の土木系の防水工事は「防水工事」ではなく「とび・土工・コンクリート工事」に該当する。

内装仕上工事について

1.「家具工事」とは、建築物に家具を据付け又は家具の材料を現場にて加工若しくは組み立てて据付ける工事をいう。(いわゆる造作家具屋さんが該当します)
単に家具を製作販売するだけでは「家具工事」に該当しません。
2.「防音工事」とは、建築物における通常の防音工事であり、ホール等の構造的に音響効果を目的とするような工事は含まれない。

機械器具設置工事について

1.「機械器具設置工事」には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、機械器具の種類によっては「電気工事」、「管工事」、「電気通信工事」、「消防施設工事」、等と重複するものもあるが、これらについては原則として「電気工事」等それぞれの専門の工事の方に区分するものとし、これらいずれにも該当しない機械器具、あるいは複合的な機械器具の設置が「機械器具設置工事」に該当する。
2.「運搬機器設置工事」には「昇降機設置工事」も含まれる。
3.「給排気機器設置工事」とはトンネル、地下道等の給排気用に設置される機械器具に関する工事であり、建築物の中に設置される通常の空調機器の設置工事は「機械器具設置工事」ではなく「管工事」に該当する。

電気通信工事について

「情報制御設備工事」にはコンピューター等の情報処理設備の設置工事も含まれる。

解体工事について

それぞれの専門工事において建設される目的物について、それのみを解体する工事は各専門工事に該当する。
総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物や建築物を解体する工事は、それぞれ土木一式工事や建築一式工事に該当する。