許可が取れる『営業所』、取れない『営業所』
全国に幾つもの支店や営業所があるゼネコンさんやハウスメーカーさんと違い、多くの中小建設業者さんは「本店=営業所」であり、個人事業者の方は「自宅=営業所」の場合も多々あります。
実は、建設業許可は要件をクリアすれば何処でも取れるという訳ではありません。
建設業許可を取得して、今後安定して経営していくために、建設業許可を受ける営業所(事務所)は、しっかりした建物と、確かな使用権原があることが求められます。
建設業許可が取れる『建物』
まず、プレハブ造りやコンテナハウスなど”基礎がない建物”は認められない可能性があります。
つまり、クレーン車でいつでも移動できるような建物は、建設業許可を受ける営業所としては相応しくないという事です。
(※現場事務所は、プレハブが多いですが計説業許可上の営業所ではありません。)
あくまで、「認められない可能性が高い」という事なので、必ず認められない訳ではありません。
場合によっては認められるケースもありますので、役所に事前相談する事をお勧めします。
(私も過去に、認められなかった建物もあれば、認められた建物もあります。)
事務所が郊外で、「市街化調整区域」の場合は、建物自体が認められない為、許可を受ける事ができません。
許可が取れる『使用権原』
建設業の営業所(事務所)は、戸建て・オフィスビル・マンション・アパートなど、特に制限はありません。
しかし注意が必要なのは、自宅兼事務所において【賃貸契約】の場合です。
雑居ビルなど、元々使用目的が事務所としての契約であれば問題ありませんが、マンションやアパートの場合、その『賃貸契約書』には”居住に限る”と明記されている事が一般的です。
この場合、建設業の事務所として登録することは”商行為であり、契約違反になるため、建設業許可を出す行政庁も正当な使用権原ではないとして、許可を出しません。
この場合、所有者(賃貸人)による、”建設業を営む営業所として使用する事を認めます”という内容の『使用承諾書』を貰えれば建設業許可の方はOKです。
但し、公営住宅(市営・県営・府営・UR・公社など)では、『使用承諾』を貰うことは、まず不可能です。
また、貸主が大手不動産会社の場合も、承諾しないケースが多くあります。
このような場合は、新たに事務所を借りるより他ありません。