決算変更届(決算報告)
毎年提出しないといけないの?
「決算変更届」とは、建設業許可業者が、1年間の工事実績と決算内容を報告するもので、毎年決算から4カ月以内に提出しなければなりません。
事実上の企業実績報告ですが、登録されている財務状態や工事実績を最新の内容に変更するので決算変更届という名前がついています。
建設業許可の有効期限は5年ですが、この決算変更届が5期分、漏れなく提出されていないと更新を受け付けてもらう事ができません。
中には、この「決算変更届」を失念し、数年分をまとめて提出するケースもございます。
兵庫県でも大阪府でも、今のところ罰則を科すことなく口頭注意にとどまっていますが、年々厳しくなっております。
また、決算変更届に添付する「納税証明書」が、直近3年分しか発行されない為、4年前5年前の決算変更届において納税証明書を添付する事ができません。
こうなると、真面目に毎年提出している建設業者との間で公平性を欠くために「次回から必ず毎年提出します」といった内容の誓約書を提出する場合もあります。
ある日突然罰則が・・・という事も近い将来あり得ますので、決算変更届は毎年必ず提出するようにしてください。
当事務所での決算変更届代行 「決算変更届」代行報酬:¥32,400-(納税証明書の取得実費を含む) ※役所の手数料(証紙代)は発生しません。 ※更新・業種追加と合わせて提出する場合は、割引致しております。 |
「決算変更届」で提出する書類
「決算変更届」の中で提出する財務諸表は、建設業法施行規則に基づいた、いわゆる「建設財務諸表」です。
税務署に提出する確定申告用の決算書を、建設業用の規定の書式に転記しなければなりません。
また勘定科目も「売上高」→「完成工事高」のように、建設業特有の科目名に変わります。
【法人・個人、共通】
1.変更届出書(決算変更届用)
2・工事経歴書(様式2号) ※許可業種毎に作成作成します。
3.直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式3号)
【法人の場合】
4・貸借対照表(様式15号)
5.損益計算書(様式16号)
6.工事原価報告書
7.株主資本変動計算書(様式17号)
8.個別注記表(様式17号の2)
9.付属明細表(様式17号の3) ※資本金1億以上又は負債200億以上の場合に提出。
10.事業報告書 ※兵庫県、大阪府で書式が違います。
11.法人事業税納税証明書 ※都道府県知事許可の場合
【個人の場合】
4.貸借対照表(様式18号)
5.損益計算書(様式19号)
6.個人事業税納税証明書 ※都道府県知事許可の場合
組織に変更があった場合は「変更届」
「変更届」を提出する場合とその期限
建設業許可を取得した後に、商号や所在地、資本金などの組織に関する事項が変更になった場合、また「経営管理責任者」や「専任技術者」、取締役などの人員に関する事項が変更に場合は「変更届」を提出しなければなりません。
中でも、「経営管理責任者」「専任技術者」の変更は、建設業許可の要件に関わる事柄なので、新規申請と同様の審査があります。
変更事項 | 提出期限 | |
1 | 「経営管理責任者」の変更又は氏名の変更 | 事実の発生した時から2週間以内 |
2 | 「専任技術者」の変更又は氏名の変更 | |
3 | 令第3条の使用人(営業所長・支店長)の変更 | |
4 | 「経営管理責任者」「専任技術者」が欠けた場合 | |
5 | 欠格要件に該当することになった場合 | |
6 | 商号又は名称に変更があった時 | 事実の発生した時から30日以内 |
7 | 既存の営業所の名称・所在地・業種の変更 | |
8 | 資本金の変更があった時 | |
9 | 役員に変更があった時 | |
10 | 個人事業主、支配人、法人の役員の氏名の変更 | |
11 | 支配人に変更があった時 | |
12 | 決算変更届け | 毎事業年度終了後4カ月以内 |
13 | 使用人数に変更があった時 | |
14 | 令第3条の使用人の一覧表に変更があった時 | |
15 | 国家資格者・管理技術者一覧に変更があった時 | |
16 | 定款に変更があった時 |
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「廃業届」について
「経営管理責任者」及び「専任技術者」が退職などで欠けた場合、直ちに他に要件を満たす者に変更する必要があります。
しかし、他に要件を満たす者がいない場合は、「廃業届」を提出しなければなりません。
建設業許可は要件を欠いた時点で、許可が失効します。
失効したまま、「変更届」や「廃業届」を提出しなければ、建設業法違反で処罰されます。
ちなみに、「経営管理責任者」「専任技術者」「国家資格者一覧」に該当する者は、行政のコンピュータに登録されています。
退職した技術者が、転職先で新たに「専任技術者」などで申請した場合、重複者として引っ掛かり、旧勤務先の「変更届」未提出が発覚するケースが多くあります。