建設工事の請負契約書について
建設工事を請負う当事者は、元請け・下請け、又は金額の大小に係わらず、書面によって契約を締結しなければなりません。
また”一括下請負(丸投げ)”は禁止されています。
請負契約書は、以下の3つの形態が考えられます。
1. 現場ごとの『請負契約書』
2. 『注文書・請書』+『基本契約約款』
3. 『基本契約書』+『注文書・請書』
建設工事の請負には、元請けとして請負う”一式工事”から、下請けとして請負う”専門工事”、さらに孫請けとしての部分的な工事が繋がっていきます。
一般的に、1. 現場ごとの『請負契約書』は、”元請け工事”および”一次下請け”にあたる専門工事のなど、1件あたりの工事規模が大きい契約に用いられます。
一方、二次下請け・三次下請けのような立場で、特定の建設業者から恒常的に小規模な工事を数多く請け負っている場合は、現場ごとの『注文書・請書』に加え、基本的な取り決めである『基本契約書』や『基本約款』を添える2・3の形態が便利です。
また、発注者・受注者双方の合意がある場合は、電子署名を付与したファイルを用いてメール送信でのやり取りもOKです。
電子署名などの導入は、面倒ですが、やり取りするデータの改変を防ぎます。
また、書面ではないので、印紙代の節約にもなります。
請負契約書に記載する事項
1. 工事内容
2. 工事代金の額
3. 工事の時期
4. 支払いの時期及び方法(前払い・出来高払い・現金、手形など)
5. 工期・工事内容・請負代金の変更、損害の負担、それらの算定方法の定め
6. 天災その他不可抗力による工期の変更、損害の負担およびそれらの額の算定方法の定め
7. 価格等の変動、変更に基づく請負代金、工事内容の変更の定め
8. 工事により第3者が損害を受けた場合の負担に関する定め
9. 注文者が資材を支給する時、機械を貸与する時はその内容及び方法に関する定め
10. 注文者の検査時期及び方法並びに引渡の時期
11. 工事完成後における請負代金の支払い時期及び方法
12. 瑕疵担保責任及び保証保険契約の締結、その他の措置に関する定め
13. 債務の不履行における遅延利息、違約金、その他損害金の定め
14. 本契約の伴う紛争の解決方法